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創造的新事業を立ち上げる人材は育てられるか

2017年04月11日 木通秀樹


 3月16日に東京大学と共同で、シンポジウム「知識から価値を生み出す人材創出法」を開催させていただきました。基調講演に東京大学の中尾政之教授、上田一貴講師、パネリストには、お二人以外に、世界的な工業デザイナーであるトライポッド・デザイン株式会社の代表取締役中川聰様、バイオ技術で環境浄化のベンチャー事業を進められ、マザーズ上場を果たされた株式会社エンバイオ・ホールディングス代表取締役西村実様をお迎えし、300人を超す多くの方々の申し込みをいただいて、盛況のうちに終えることができました。ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

 「創造的新事業を立ち上げる人材は育てられるか」、これがシンポジウムでの問いかけです。現在、差別性ある新事業開発、新商品開発を行う人材の獲得は、企業の最大の関心事の一つではないでしょうか。しかし、こうした人材が企業でなかなか育たないと考える関係者の方は多いと思います。これに対し、中川さん、西村さんは、シンポジウムの中で明確に「育てられる」、「自分はそうした形で育てられた」、「現在、自分が育てている」というコメントがあり、そのリアリティーを実感された人も多いのではないでしょうか。シンポジウム後には、皆様から、「実体験に基づくお話に納得感があった」、「自社でもトライしてみよう」というお話を頂くことができました。

 創造的な人材をOJTで育成する場合、確かに、デザイナーのような職種では育ちやすいかもしれません。しかし、製造業や金融機関、商社などはどうでしょうか。業種の違いによって、OJTでできることには限界が出てきます。中でも、日本の強みである製造業などで創造性を育む基盤が薄れていると指摘する人は多いのではないかと思います。特に現在は、製品のリードタイムが短くなったことで、市場で先行することがより重要になってきており、より開発の上流で差別性を発揮する必要性が高まっています。

 最近の脳研究とこれまでの創造的新事業を立ち上げた方々の足跡を鑑みると、こうした人材を育てるには、大きく2つの構造が脳内に形成されていることが望ましいと言えます。一つ目は、「(1)ピンときて」、自然に「(2)情報が組み合わさって」得られた考えを、「(3)的確に実現に向けてアウトプット」できることです。もう一つは、情報を組み合わせる際に「(4)明確な個人の価値観による方向付け」を行い、それを「(5)粘り強く繰り返す」ことです。この二つができる人が、日常的な情報の中で発見をして、新たな構想を打ち出していけることになります。この構造を実現する(1)~(5)のような機能をわれわれは5つの基盤と定義して、その部分を集中的にトレーニングする方法を開発して参りました。シンポジウムでは、こうしたトレーニングを日本総研で立ち上げ、育成してきた過程を紹介させていただきました。

 日本総研の創発戦略センターでは、今後、新事業開発において関係する企業の皆様に、こうした人材育成の手法も合わせたサービスをご提供させていただきたいと考えております。


※記事は執筆者の個人的見解であり、日本総研の公式見解を示すものではありません。
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